日本結晶学会創立70周年記念シンポジウム


『温故知新:結晶学の辿った道と目指す未来』


 日本結晶学会は,昨年で創立70周年を迎えました。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大を受けて開催を延期しておりました70周年記念シンポジウムを,令和3年度札幌年会に併せてCOVID-19感染予防に配慮したハイブリッド形式にて開催させていただきます。
 20世紀の「結晶学」は分子の構造を見る科学として,物質科学,生命科学,情報科学の各分野の基盤技術として発展してきました。黎明期や発展期における結晶学がたどってきた道のりを振り返り,その時々で「挑戦的」な研究に取りくみ,どのように研究分野が発展してきたのか。さらに,現在猛威を振るっている新型コロナウイルス蛋白質の構造解析を例に取るまでもなく,結晶学は主要研究課題を取り扱う最先端科学として存在感を発揮しています。今回のシンポジウムでは,有名な故事『故きを温ねて新しきを知る,以って師と為るべし』の心構えで,結晶学の辿ってきた道と目指す未来を議論する機会とできるよう企画いたしました。
 本シンポジウムでは,国際結晶学連合(IUCr)と本会元会長でもある大橋裕二名誉会員,IUCr元会長のEdward Baker教授,本会元会長の月原冨武名誉会員の御三方に特別講演をお願いしました。また,物質科学,生命科学の結晶学関連分野から顕著な業績をあげておられる先生方をお招きし,それぞれの革新的な研究をお話いただきます。ご講演を通じて,皆さんと元気よく結晶学の目指す未来について意見交換できる機会となれば幸いです。



日本結晶学会•会長 山縣ゆり子

70周年記念シンポジウム企画委員会•委員長  栗栖源嗣


● 日時:11月20日(土)13:00〜17:40 (ハイブリッド)
● ハイブリッド会場:北海道大学 学術交流会館
● 70周年記念シンポジウムの参加登録料は無料ですが、事前に参加登録をする必要があります。なお、年会に参加登録いただいた方は自動的にシンポジウムにも登録されます。



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終了しました。
プログラム
13:00~13:10   開会挨拶   記念シンポジウム企画委員長 栗栖源嗣(阪大蛋白研)
13:10~13:20 お祝いメッセージ  CCDC, IUCr, AsCA 栗栖源嗣(阪大蛋白研)
「座長:栗栖源嗣(阪大蛋白研)」
K01 13:20~13:45 日本結晶学会創立70周年記念を祝う
大橋裕二  第34代会長,第21代IUCr会長(東工大)
休憩 13:45~14:00 
「座長:中川敦史(阪大蛋白研)」
K02 14:00~14:25 Discovery through crystallography
Edward N. Baker  第18代IUCr会長 (University of Auckland, NZ)
K03 14:25~14:50 私の蛋白質結晶学-チトクロムcからチトクロムc酸化酵素
月原冨武  第38代会長(阪大蛋白研、兵庫県立大理)
休憩 14:50~15:05 
「座長:久保田佳基(大阪府大院理)」
S01 15:05~15:25 氷多形の発見史から見る結晶学の発展と展望ー新しきを知りて故きを温ねる
小松一生(東大院理)
S02 15:25~15:45 電子顕微鏡と結晶学:機能性材料の機能発現機構の解明に向けて
森 茂生(大阪府大院工)
休憩 15:45~16:00
「座長:河野正規(東工大理)」
S03 16:00~16:20 ソフトクリスタル:高秩序で柔軟な応答系の光機能
加藤昌子(関西学院大生命環境)
S04 16:20~16:40 低温電子顕微鏡単粒子解析による蛋白質の原子分解能構造解析
中根崇智・山下恵太郎(MRC-LMB, UK)
休憩 16:40~16:55 
「座長:橋爪大輔(理研CEMS)」
S05 16:55~17:15 結晶スポンジ法:天然物化学,創薬研究への応用
藤田 誠(東大院工・分子研)
S06 17:15~17:35 結晶学のDX化が拓く次世代のイノベーション
高田昌樹(東北大学SRIS)
17:35~17:40 閉会挨拶   第45代会長(現任)  山縣ゆり子(尚絅大・尚絅短大)



70年記念シンポジウム企画委員会


    委員長         栗栖 源嗣    
    委員         中川 敦史    
    河野 正規    
    橋爪 大輔    
    久保田 佳基