[日本学術会議]公開シンポジウム 持続可能な未来を築く物質・構造・機能 〜資源リサイクル、カーボンニュートラル、食物問題の解決に向けて〜
2025-06-05
1.主 催:日本学術会議化学委員会・物理学委員会合同結晶学分科会、化学委員会IUCr分科会
2.共 催:一般社団法人日本結晶学会、日本結晶成長学会
3.後 援:情報計算化学⽣物学会(CBI学会),⽇本化学会,⽇本中性⼦科学会,⽇本物理学会,⽇本放射光学会,⽇本薬学会
4.日 時:令和7年(2025年)7月20日(日)13:00~16:40
5.形 式:オンライン開催(無料)
6.開催趣旨:
「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals:SDGs)」は、2030年までに達成すべき課題を掲げたものである。しかし、たびたび起こる地域紛争や感染症、資源・環境問題の深刻化により、その実現は危ぶまれている。
持続可能な社会の構築には、新たな機能を持つ物質を創成し、革新的な技術を生み出すことが不可欠である。物質の構造が多様な機能を生み出すことを再認識し、基礎科学の知見をもとに新たなイノベーションを創出していく必要がある。
本シンポジウムでは、プラスチックリサイクル、バイオ燃料生産、光合成の分子機構、植物の栄養吸収、CO₂回収技術といった最先端の研究を通じて、物質創成科学が持つ可能性を探る。資源循環の観点から、プラスチックの持続可能な再利用技術や、未利用資源を活用したバイオ化学品・燃料生産手法を紹介する。さらに、光合成の水分解機構や植物の鉄吸収メカニズムの解明が、エネルギー変換技術や食糧問題の解決にどのように貢献し得るかを議論する。また、大気中からの直接的CO₂回収技術がカーボンニュートラルの実現に果たす役割についても取り上げる。
日本学術会議が主催する本シンポジウムを通じて、物質創成科学による革新を広く世界に発信し、持続可能な社会の実現に向けた科学技術の重要性を次世代の研究者へと伝えていくことを趣旨とする。
7.次第:
13:00-13:05 開会の辞
杉山 和正(一般社団法人日本結晶学会会長、東北大学名誉教授)(予定)
13:05-13:10 趣旨説明
中川 敦史(日本学術会議連携会員、大阪大学教授)
13:10-13:40 座長 西堀麻衣子(日本学術会議連携会員、東北大学多元物質科学研究所教授)
講演「物質循環と循環経済におけるプラスチックリサイクルの役割」
吉岡 敏明(東北大学大学院環境科学研究科・教授)
13:40-14:05 座長 栗原和枝(日本学術会議連携会員、東北大学来科学技術共同研究センター教授(兼任)多元物質科学研究所)
講演「樹脂分解触媒の開発とケミカルリサイクルへの展開」
野崎 恭子(東京大学大学院工学研究科・教授)
14:05-14:30 座長 小島優子(日本学術会議連携委員、三菱ケミカル株式会社分析物性研究所主幹研究員)
講演「カーボンニュートラルを目指した未利用資源からのバイオ化学品、バイオ燃料の生産技術の開発」
乾 将行(公益財団法人地球環境産業技術開発機構(RITE)・グループリーダー)
14:30-14:40 休憩
14:40-15:10 座長 上村みどり(日本学術会議連携会員、量子構造生命科学研究所 所長)(予定)
特別講演「動的構造解析から解明される光合成水分解反応の機構」
沈 建仁(岡山大学異分野基礎科学研究所・所長)
15:10-15:35 座長 山下敦子(日本学術会議連携会員、大阪大学蛋白質研究所 教授)
講演「イネ科植物が土壌から鉄を吸収するメカニズムの解明と応用」
村田 佳子(公益財団法人サントリー生物有機化学研究所・特任研究員)
15:35-16:00 座長 福島孝典(日本学術会議第三部会員、東京科学大学総合研究院化学生命科学研究所 教授)
講演「ユビキタスCO2回収に向けた大気からの直接的CO2回収技術の開発とその意義」
藤川 茂紀(九州大学カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所・教授)
16:00-16:30 総合討論
進行:井上 豪(日本学術会議連携会員、大阪大学大学院薬学研究科教授)
16:30-16:40 閉会の辞
菅原 洋子(日本学術会議連携会員、北里大学 名誉教授)(予定)