[日本学術会議]会長メッセージ「日本学術会議の在り方に関する有識者懇談会の第12回会合の開催について」

2024-07-31

会員、連携会員、協力学術研究団体 各位
日本学術会議の在り方に関する有識者懇談会の第12回会合の開催について

令和6年7月30日
日本学術会議会長
光石 衛

 昨日、日本学術会議の在り方に関する有識者懇談会の第12回会合が開催されました。昨日の会合では、組織・制度WGと会員選考等WGの議論の状況についてそれぞれの主査から報告がありました。続いて、第26期アクションプランの取組状況について私(会長)から説明いたしました。続いて、海外アカデミーへの質問事項の回答及び両WGの「これまでの議論と今後の検討」に関して内閣府から説明があり、その後、意見交換が行われました。

 意見交換では主に次のように意見を申し述べました。
・6月7日の第11回有識者懇談会に「より良い役割発揮のための制度的条件」と題する文書を提出し、法人化をめぐる論点について懸念する点を表明したが、その後の各WGでの議論において、同文書により指摘した懸念は、依然として払拭されていないこと
・とりわけ、次の5項目は、「近視眼的な利害に左右されない独立した自由な学術の営みを代表するアカデミーの活動」を阻害するもので、到底受け入れられないこと

  1. 大臣任命の監事の設置を法定すること
  2. 大臣任命の評価委員会の設置を法定すること
  3. 『中期目標・中期計画』を法定すること
        (独立行政法人のようなものは認めがたい)
  4. 次期以降の会員の選考に特別な方法を導入すること
        (コ・オプテーションの考え方の逸脱になる)
  5. 選考助言委員会の設置を法定すること
・「より良い役割発揮のための制度的条件」において指摘した懸念が払拭されるよう、この5項目を満たす案も俎上に乗せた上で、さらに議論を深めることを強く求めること

 他方で、資料5(「これまでの議論と今後の検討」)においては、「今後、具体的な制度設計を進める中で、引き続き学術会議の意見もよく聴きながら丁寧に議論していきたい」とされております。現時点では、有識者懇談会の方向性と学術会議の考え方には隔たりがありますが、学術会議の懸念が払しょくされるよう、引き続き有識者懇談会及び両WGの議論に参画してまいりたいと思います。
 引き続き、皆様の御支援、御協力をよろしくお願い申し上げます。

*内閣府「日本学術会議の在り方に関する有識者懇談会」HP
 https://www.cao.go.jp/scjarikata/kondankai.html

*第12回有識者懇談会資料
 https://www.cao.go.jp/scjarikata/kondankai/20240729shiryo.html

*内閣府「組織・制度ワーキング・グループ」HP
 https://www.cao.go.jp/scjarikata/kondankai/soshikiwg.html

*内閣府「会員選考等ワーキング・グループ」HP
 https://www.cao.go.jp/scjarikata/kondankai/kaiinwg.html

*日本学術会議HP「日本学術会議の在り方について」特設ページ
 https://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/division-20.html