界面の原子構造の光電子ホログラフィの原理 電子デバイスを構成する半導体と絶縁膜の界面は素子性能を左右する重要な領域である.この界面の原子構造を知る事によって, キャリヤをトラップする欠陥構造やキャリヤの散乱源を知ることができる.しかしながら, 界面の極薄領域の原子配列を非破壊で分析することは困難であった.今回用いた光電子ホログラフィでは, 測定に必要な試料表面の電気伝導性を確保しつつ,絶縁膜の下に埋もれた状態である半導体/絶縁膜界面からの情報を引き出すことができた. 絶縁膜であるAl2O3は2 nm以下まで薄く制御され,ダイヤモンド半導体との界面結合を形成している. この薄い絶縁膜の上から光電子ホログラフィ測定を行い,バルク炭素どうしのsp3結合に由来するホログラム(図中左側)と 界面の酸素とのC-O結合に由来するホログラム(図中右側)を切り分け,それぞれの原子配列を分析することができた. これにより,C-O結合に由来する結合が界面欠陥の起源の1つであることが示唆された.図下側がバルクのダイヤモンドであり, 表面にAl2O3膜があり,膜の下にある界面またはバルクのエミッター原子から情報を抽出している様子を表現した図である.
図4 リングの形状評価.(Ring shape characterization.)
図4 (a)~(c)高温圧縮ガラスのSi原子のPD.(d)~(f)三次元化された高温圧縮ガラスのSi原子のPD.
((a)~(c) Si-centric PDs for hot-compressed glasses.(d)~(f)Three-dimensional representations of the PDs for the boxed regions shown in(a)~(c).)
図1 シリカライトを室温圧縮して得られた非晶質シリカ(回収試料)における構造因子S(k)の比較.@ は室温圧縮時の印加圧力を示す.下図は単結晶シリカライトから得られた非晶質SiO2の構造モデル.
(Comparison of structure factor S(k)in amorphous silica obtained by cold compression of silicalite-1.)
図8(a)合成したTiNb2O7,(b)ボールミル処理したTiNb2O7,(c)熱処理したTiNb2O7のPD.
(PDs for(a)TNO (Pristine),(b)TNO(Ball-milled), and(c)TNO(Heat-treated).)
図7(a,c)0-10および210回折スポットでそれぞれ構築したCaTiSiO5およびCaTi(Si0.5Ge0.5)O5の暗視野像.(b,d)CaTiSiO5およびCaTi(Si0.5Ge0.5)O5におけるTiO6酸素八面体中のTiのオフセンター変位.
((a,c)Dark field images of CaTiSiO5 and CaTi(Si0.5Ge0.5)O5 created with the diffraction spots of 0-10 and 210.(b,d)The off-center shift of Ti atoms in CaTiSiO5 and CaTi(Si0.5Ge0.5)O5.)
図6 ピリジン部をさまざまに変換したインダンジオン誘導体類の結晶構造.
(Crystal structures of modified pyridyl indanedione dimers.)
図12 H終端ダイヤモンド上のAl2O3との界面推定構造.
(Estimated structure of Al2O3 on the terminal diamond.)
(b)C-O ホログラムから再構成された 3D原子画像の断面.断面の位置は,(a)の四角で示されている.図中の円は,(a)の原子配列に基づいて予想される原子の位置を示している.実線円は,欠陥の1つを示している.破線円は,表面の対称性を考慮した場合の,ほかの方向の欠陥を示している.(c)は3D原子画像の垂直断面図を示す.
図3 溶液法で金属原子をドープしたFeSeのTc–c相図.異なるシンボルはドープ金属の違いを意味する.cは常温の値である.
(Tc–c phase diagram of metal doped FeSe prepared by solution method)