クライオ電子顕微鏡を用いた SARS-CoV-2スパイクタンパク質と中和抗体NIV-8,-10,-11,-13複合体の構造解析
NIV抗体は,感染から7 ヶ月後に回収されたCOVID-19回復者の血清中メモリーB細胞に由来する抗体群である.われわれはその中でも NIV-8,-10,-11,-13についてスパイクタンパク質の認識機構を明らかにするため,クライオ電子顕微鏡解析を用いて構造解析を行った(図中上段).構造から決定したNIV抗体のエピトープを比較してみると,NIV-8はS443を中心とするエピトープを認識するクラスⅢに属する抗体で,NIV-10,-11,-13 は,F486やY489を中心とするエピトープを認識するクラスⅠに属する抗体ということが明らかとなった(図中下段).