粉末X線回折の電子密度解析とWIEN2kで計算されたアルミニウムの電子密度分布 金属で一般的に仮定される自由電子ガスモデルからのわずかな“ずれ”を可視化するため,全電子密度分布から球対称のAl原子の電子密度を引いた差分を指名している. 図の中心がAlの原子核位置である.球対称からのわずかなずれを示すため,等高線のステップは0.005 e/A3である. どちらも原子核のない領域に0.03~0.045 e/A3の電子密度のピークが明瞭に観測されている.このピークの高さは, シリコンなどの共有結合電子の1/10以下である.弱い電子密度であるが両者の形状には違いがみられる.最終的な解析から, この形状の違いが原子核周りの原子軌道的な電子に起因することが明らかになった.
シンポジウムからみる最近の高圧結晶化学のトピックス