ブックタイトル日本結晶学会誌Vol62No3

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概要

日本結晶学会誌Vol62No3

会告I.2021年度も任期中の評議員海野昌喜茨城大学尾関智二日本大学上村みどり帝人ファーマ㈱熊坂崇高輝度光科学研究センター栗栖源嗣大阪大学千田美紀高エネルギー加速器研究機構玉田太郎量子科学技術研究開発機構橋本博静岡県立大学平田邦生理化学研究所松村浩由立命館大学三木邦夫京都大学姚閔北海道大学山縣ゆり子尚絅大学・尚絅大学短期大学部山本雅貴理化学研究所吉朝朗熊本大学Ⅱ.3期(2015~2016年度,2017~2018年度,2019~2020年度)連続して評議員植草秀裕東京工業大学坂田修身高輝度光科学研究センター中川敦史大阪大学禾晃和横浜市立大学以上の方々を推薦しないでください.なお,本誌挟み込みの推薦用紙・封筒を用いて推薦を行うことになっております.会員の皆様方にはよろしくご協力いただきますようお願いいたします.【推薦要領】1.必ず,本会誌に挟み込みました白色の推薦用紙を使用してください.2.個人会員一人で推薦できる候補者の人数は5名です.5名連記でお願いします.3.無記名による推薦ですので,推薦者氏名を記入しないでください.4.推薦用紙は本誌挟み込みの茶封筒に入れ,次に本誌挟み込みの返信用封筒に入れてご返送ください.開票の手間を軽減するため,茶封筒は糊付封緘しないでください.5.返信用外封筒には必ず推薦人氏名を記してください.記名のないものは無効とします.6.郵送先:〒162-8790東京都新宿区山吹町358-5アカデミーセンター(上記郵便番号は「受取人払」時のみ.通常は162-0801)7.2020年10月1日(木)必着2020年(令和2年)度日本結晶学会学会賞受賞者2020年度第2回評議員会において,山縣会長より日本結晶学会賞選考委員会(委員長:雨宮慶幸)の答申が授賞理由とともに説明され,慎重な審議を経て以下の5件の学会賞授賞が承認された.2020年度日本結晶学会西川賞西川惠子元会員(豊田理化学研究所フェロー・千葉大学名誉教授)「複雑凝集系を対象としたゆらぎの構造科学」2020年度日本結晶学会学術賞緒方英明会員(北海道大学低温科学研究所特任准教授)「金属酵素の結晶構造化学的研究」和田啓会員(宮崎大学医学部准教授)「細胞の酸化ストレス制御の構造生物学」2020年度日本結晶学会進歩賞有森貴夫会員(大阪大学蛋白質研究所特任助教)「タンパク質結晶化に応用可能な新規小型抗体フォーマットFv-claspの開発」河口彰吾会員(高輝度光科学研究センター回折散乱推進室主幹研究員)「試料ガス雰囲気のサブ秒放射光粉末回折計測システムの開発」2020年度(令和2年)日本結晶学会西川賞授賞理由「複雑凝集系を対象としたゆらぎの構造科学」西川惠子元会員西川惠子元会員は,物質科学におけるメゾスケールの『ゆらぎ』現象を対象に,小角X線散乱と種々の手法を相補させ,独自の視点に基づいた研究を展開してきた.ゆらぎは平均からのズレを表す概念である.空間的な分子分布のズレ(静的ゆらぎ)や時間的変動(動的ゆらぎ)は,対象とする系の構造・物性を決め,その後の時間発展の駆動力となる.西川元会員は,物質科学でゆらぎが顕在化する種々の現象を調べ,従来にはない観点から構造と物性を観測・解析してきた.ゆらぎは『乱れ』とも言い換えることができる.乱れを乱れとしてあるがままに認識する重要性を指摘し,静的な乱れの程度を定量化する実験方法を確立した.さらに,イオン液体と呼ばれる物質群が,相変化の時々刻々の動的ゆらぎを実験的に追跡できる系であることを見出し,その現象の観測に世界で初めて成功した.西川元会員の代表的な研究業績は以下の研究に集約される.(1)濃度ゆらぎによる溶液の混合状態の解明206日本結晶学会誌第62巻第3号(2020)