ブックタイトル日本結晶学会誌Vol62No1
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日本結晶学会誌Vol62No1
赤井一郎,岩満一功,五十嵐康彦,岡田真人,瀬戸山寛之,岡島敏浩図5銅EXAFS振動の,λに依存するLASSO法解析結果.(Results of LASSO analyses depending onλfor EXAFS oscillationin copper.)編集部注:カラーの図は電子版を参照下さい.数を用いた結果である.図5b-2の再現データもEXAFS振動を適切に再現しており,ω(λ)がデータの説明に十分であることがわかる.解析範囲でλが最小値の結果を図5cに示した.図5c-1からわかるように,RMSD<σnoiseとなり,ノイズまでを再現する過剰フィッティング結果になることがわかる.4.3~N(Rj)の平均自由行程による補正図5a-3,b-3,c-3で,灰色のフーリエ変換スペクトルと赤縦棒の擬動径分布関数N ?(Rj;λ)を比較すると,フーリエ変換スペクトルのピーク強度は,第一近接が一番強く,前述のとおり,動径距離が増加すると弱くなる傾向がある.それに対しN ?(Rj;λ)は,動径距離が増加すると強度が増加する傾向があることがわかる.これは,平均自由行程の取り扱いの違いによるものである.フーリエ変換は,EXAFS振動信号y(k)を,∑3y( k ) =χ( k ) k = c( R ) sin 2kR + d ( R ) cos2kRjj j j jのように展開する.式(3)と比較すると,その展開係数c(Rj),d(Rj)は次式のように,1 Rj{ c( R ) d (j R )} ? ?, j∝exp ? ?2 ? a R j b R jR ? ?×{ ( ),( )}2Λj式(3)のa(Rj),b(Rj)に平均自由行程Λによる減衰項が乗算されるため,フーリエ変換スペクトルでは,遠ざかるにつれて強度は抑制される.一方動径分布関数N(Rj)を明らかにする立場でEXAFS振動の解析を行うのであれば,その減衰項を補償する試みも有効である.本稿では,その立場に立って,平均自由行程をΛ=10 Aの定数として補償項として導入した.確かに平均自由行程は,式(1)でΛ(k)と書かれるように波数kに依存するが,用いた定6日本結晶学会誌第62巻第1号(2020)