ブックタイトル日本結晶学会誌Vol61No3

概要

日本結晶学会誌Vol61No3

Gert-Jan BEKKER，工藤高裕，池川恭代，山下鈴子，栗栖源嗣1メイン（Main）メニューをクリックしメインメニューを開く「Open mmCIF file」で読み込み「Save mmCIF」で保存2カテゴリ（Category）メニューカテゴリ名（この例の場合「atom_site」）をクリック5値編集値をクリック→編集モードになる3項目（Item）メニュー項目名（この例の場合「auth_seq_id」）をクリック6１ページに表示する行数ページ切り替えボタンの右にある値を変更すれば１ページに表示する行数を変更できます．4行削除行の左端にある×をクリック8直接編集モードのカテゴリメニュー直接編集モード図3 mmCIF Editorの概要．（Overview of mmCIF Editor interface.）7述できます．構造の大きさについての制限もありません．またどんな新しいデータコンテンツも拡張・追加することができるので，実験的メタデータを広範囲に収集でき，構造の検証を強化できるという利点があります．以下にPDBx/mmCIFフォーマットの例を示します．データの記述方法には，各項目に対するデータセットを1組だけ記述できるkey-value（図2A）方式と複数のデータセットが記述できるloop（図2B）方式があります．PDBフォーマットはテキストエディタを使って直接ファイルを編集することが行われてきました．一方，PDBx/mmCIFフォーマットは拡張性が高い反面，辞書の定義を守りつつ直接ファイルを編集することが難しくなっています．そこでPDBjではPDBx/mmCIFフォーマットの編集を支援するツール「mmCIF editor」を開発しました．https://pdbj.org/cif-editorにアクセスするだけでいつでも最新バージョンが利用できます．「mmCIF editor」には，mmCIF辞書を参照しデータの整合性を保つしくみを備えた「編集支援モード」と，mmCIFデータを直接編集できる「直接編集モード」があります．図3に，PDB entry（5ZNO）のmmCIFファイルを読み込んだ例を示します．ローカルファイルは，メインメニュー（図3-1）またはドラッグ＆ドロップで読み込むことができます．編集支援モードで各カテゴリ名をクリックするとメニューが開き，行の追加や列（項目名）の表示／非表示の変更などそのカテゴリに対するさまざまな操作ができます（図3-2）．表中の各項目名もメニューを開くボタンとなっており，その項目に対してフィルタをかけたり一括更新したりすることができます（図3-3）．各行の左端のボタンをクリックすればその行を削除でき（図3-4），個々の値をクリックすれば編集することができます（図3-5）．特定の項目にフィルタをかけた後，項目メニュー（図3-3）にある一括操作（batchoperation）を使って，フィルタをかけた行に対する値を更新・削除することもできます．データ件数が多いカテゴリでは表の下にページ切り替えボタンが表示されますが，その右の値を変更すれば1ページに表示する行数を調整できます（図3-6）．データの修正や追加を行うときに，その新たなデータがmmCIF辞書の定義に適合しているかをチェックして，ルールに外れた編集はできないようになっています．カテゴリメニュー（図3-2）の「Raw editor」から直接編集モード（図3-7）に切り替えると，mmCIFデータを自由に編集することができます．直接編集モードで編集した後は，カテゴリメニューから検証を行った上で更新することができます（図3-8）．編集を終えたデータは，メインメニューのSave mmCIFで，ローカルディスクに保存することができます（図3-1）．詳しくはメインメニューのHelpをご参照いただき，ご質問などございましたら，PDBjお問い合わせフォーム（https://pdbj.org/contact）よりお問い合わせください．また皆さんからのご意見・ご要望もお待ちしております．文献1）PDB News Letter, Vol.3（1976）．2）安岡則武，角戸正夫：日本結晶学会誌19, 294（1977）．3）P. D. Adams, et al.: Acta Cryst. D75, 451（2019）．160日本結晶学会誌第61巻第3号（2019）