ブックタイトル日本結晶学会誌Vol61No2
- ページ
- 67/88
このページは 日本結晶学会誌Vol61No2 の電子ブックに掲載されている67ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。
このページは 日本結晶学会誌Vol61No2 の電子ブックに掲載されている67ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。
日本結晶学会誌Vol61No2
Hirshfeld Atom Refinementの概要と実例について表4L-threonineのX線回折実験での結果.(Results ofL-threonine X-ray diffraction experiment.)Compound nameL-threonineFormulaC 4H 9NO 3Temperature/K290Crystal systemorthorhombicSpace groupP2 12 12 1RadiationMoKα(λ=0.71073)2θmax /°129.39Reflections?collected38666Independent?reflections7826R int / R sigma0.0573/0.0436Data/restraints/parameters7826/0/76Goodness-of-fit?on?F 21.063Final R indexes[I≧2σ(I)]R 1=0.0350,wR 2=0.0919Final R indexes[all data]R 1=0.0388,wR 2=0.0935Largest diff. peak/hole / eA-30.43/-0.343.2.2基底関数による違いはじめに量子化学計算に要する時間と,その結果から算出されたR(F),残存電子密度について比較した.3.1で述べたように,SCF法は,制限Hartree-Fock(rhf),Kohn-Sham(rks/BLYP)法の2つあるが,Kohn-Sham(rks/BLYP)法は,欠点として水素結合,van der Waals力を精度良く見積もることができない,遷移金属の電子状態を正確に計算できないなどの点がある.今回は,水素原子の結合距離等を精度良く見積もるため,計算方法をrhfに統一し,基底関数系を変えてある.計算方法の選択において,すべてに適用できる計算方法は存在せず,また,数多くの計算方法がさまざまな系に対して検討されている.そのため,自身が取り扱う系によって最適な計算方法を用いる必要がある.計算方法を選択H4B図4H3H4AC4H4CH3AO3C3H2O2C2C1H1AO1H1BN1H1CL-threonineのHARtの結果と原子名.(Molecular structureobtained from HARt, and assigned atom names.)表5各基底関数系での計算結果.(Calculation result ineach basis set.)基底関数R(F),%計算時間残存電子密度(eA-3)IAM---0.337 / 0.434def2-SVP3.0012分19秒-0.2938 / 0.2955def2-TZVP2.9542分44秒-0.2616 / 0.2678def2-TZVPP2.951時間12分-0.2641 / 0.2681STO-3G4.2310分11秒-0.8265 / 0.4658cc-pVDZ2.9715分33秒-0.2572 / 0.2710cc-pVTZ2.951時間15分-0.2639 / 0.2698cc-pVQZ2.959時間11分-0.2651 / 0.2683表6O2-C1O3-C3O1-C1O3-H3N1-C2N1-H1AN1-H1BN1-H1CC1-C2C2-C3C3-C4C2-H2C3-H3AC4-H4AC4-H4BC4-H4CHARtにおける各基底関数で得られた結合長と中性子実験から得られた結合長(A)の比較.(Comparison of bondlengths obtained from results of HARt and neutron.)水素原子がかかわる結合長は灰色の背景で示す.Neutrondef2-SVPdef2-TZVPdef2-TZVPPcc-pVDZcc-pVTZcc-pVQZIAM1.258(4)A1.416(4)A1.237(4)A0.983(6)A1.490(3)A1.037(6)A1.037(6)A1.024(6)A1.539(3)A1.538(3)A1.515(5)A1.097(9)A1.107(7)A1.097(9)A1.113(10)A1.075(10)A日本結晶学会誌第61巻第2号(2019)133