ブックタイトル日本結晶学会誌Vol61No2
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日本結晶学会誌Vol61No2
ネスポロマッシモ4.結晶構造ツール(Structure Utilities)STRUCTURE UTILITIESというセクション(図20)は,複数の便利なプログラムを提供する.図20 STRUCTURE UTILITIESのプログラム編集CELLTRAN:実行例を図21に示そう.https://twitter.com/johndingwall/status/1120753701893869574ユーザーが入力する変換行列を利用し,格子定数の変換を計算する.変換行列はP,軽量テンソルはGとすると,格子定数の変換以下の式に従って計算する.G'=P t GP上記のG'は変換後の軽量テンソル,P tはPの置換行列である.図21 CELLTRANのインプット画面WPASSIGN:ユーザーが入力する座標をそれに合ったワイコフ位置に同定し,その席対称群と同じ結晶軌道に属するほかの単位胞内の原子座標を示す.解析には空間群のデータ(タイプと格子定数)も必要である.TRANSTRU:入力した構造データ(格子定数や原子座標)を部分群に変更したいとき,あるいはユーザーが入力する変換行列を利用し,変換したいときに利用する.なお,群から部分群への変換行列がわからない場合は上記で紹介したCELLSUBというプログラムでその変換を入手できる.図22に,TRANSTRUの入力画面を示す.オプションの選択以外,後術のSETSTRUとEQUIVSTRUの入力画面もほぼ同様である.SETSTRU:入力した構造データをITAに掲載されている設定への変換を行う.菱形単位胞を六方単位胞へとその逆変換,複数の直方(斜方)や単斜設定の変換などを行う.TRANSTRUと異なり,変換行列を入力する必要はない.EQUIVSTRU:正規化群(文献4)を参照)の操作および入力された構造データに基づき,同じ単位胞での可能な構造記述を表示する.STRCONVERT:インプットファイルを変換する.入出力ともに,CIF,mCIF,VESTA,VASP形式が可能である.COMPSTRU:同じ対称性をもつ結晶構造を比較する(図23).基底ベクトルの変換と正規化群の操作で関連付けられている構造の記述を考慮するので一見異なるものが見えても実は同じ構造かどうかこのプログラムで簡単に判断できる.92日本結晶学会誌第61巻第2号(2019)