ブックタイトル日本結晶学会誌Vol61No1
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日本結晶学会誌Vol61No1
治田充貴,倉田博基リングを考慮した理論計算の結果,この相関は試料厚さが50 nm以下程度の領域では高分解能分析の厚さ依存性がほとんどないことも明らかとなった.そのため,通常は照射原子カラムの組成をまったく反映しない酸素量についても,このような検量線グラフを用いることで実験的に酸素欠損などを高分解能で議論することが可能となると考えられる.10.最後にSTEM-EELS法による高空間分解能での電子状態解析について,著者らが行ってきたこれまでの研究例について紹介した.ハード開発の面では電子源の単色化による高エネルギー分解能化,また電子直接検出型カメラが登場していることでより効率的に電子線照射量を低減させることができるため,より高空間・高エネルギー・高角度分解能でさまざまな材料についての電子状態解析がますます期待される.謝辞本研究を行うにあたり,ご指導ご協力をいただきました先生方に感謝いたします.(順不同,敬称略)樋口弘樹,根本隆,磯田正二,大塚祐二,川崎直彦,島川祐一,小松寛,井上暁,松本和也,長井拓郎,倉嶋敬次,長尾全寛,佐藤晃,溝口照康,木本浩司,石塚顕在,石塚和夫,N. R. Lugg,M. Neish,S. D. Findlay,L. J. Allen.また本研究の遂行にあたり日本学術振興会特別研究員奨励費(20-145),科研費学術創成(19GS0207),科研費(25886088,26706015,17H02739)およびJST-CREST「異常原子価および特異配位構造を有する新物質の探索と新機能の探求」の援助を受けた.ここに謝意を表する.文献1)S. J. Pennycook and P. D. Nellist: Scanning Transmission ElectoronMicroscopy, Springer(2011).2)M. Haider, et al.: Nature 392, 768(1998).3)S. Morishita, et al.: Microscopy 67, 46(2017).4)K. Kimoto, et al.: Nature 450, 702(2007).5)O. L. Krivanek, et al.: Nature 514, 209(2014).6)R. F. Egerton: Electron Energy-Loss Spectroscopy in the ElectronMicroscope, 3rd ed. Plenum Press, New York(2011).7)M. Haruta, et al.: Phys. Rev. B 80, 165123(2009).8)M. Haruta, et al.: J. Appl. Phys. 110, 033708(2011).9)M. Haruta, et al.: Appl. Phys. Lett. 100, 163107(2012).10)M. Haruta, et al.: J. Appl. Phys. 114, 083712(2013).11)M. Haruta, et al.: Phys. Rev. B 97, 205139(2018).12)C. T. Chen, et al.: Phys. Rev. Lett. 68, 2543(1992).13)M. P. Oxley, et al.: Phys. Rev. B 76, 064303(2007).14)A. Yamaguchi, et al.: Appl. Phys. Lett. 113, 053101(2018).15)N. Lugg, et al.: Appl. Phys. Lett. 101, 183112(2012).16)M. J. Neish, et al.: Phys. Rev. B 88, 115120(2013).17)M. Haruta, et al.: ACS Nano 10, 6680(2016).18)M. Haruta, et al.: Appl. Phys. Lett. 113, 083110(2018).19)Y. Hosaka, et al.: Bull. Chem. Soc. Jpn. 88, 657(2015).プロフィール治田充貴Mitsutaka HARUTA京都大学化学研究所Institute for Chemical Research, Kyoto University〒611-0011京都府宇治市五ヶ庄Uji, Ktoto, 611-0011 Japane-mail: haruta@eels.kuicr.kyoto-u.ac.jp最終学歴:京都大学大学院理学研究科博士後期修了博士(理学)専門分野:走査型透過電子顕微鏡法,電子エネルギー損失分光法現在の研究テーマ:高分解能電子状態マッピング倉田博基Hiroki KURATA京都大学化学研究所Institute for Chemical Research, Kyoto University〒611-0011京都府宇治市五ヶ庄Uji, Ktoto, 611-0011 Japane-mail: kurata@eels.kuicr.kyoto-u.ac.jp最終学歴:京都大学大学院理学研究科博士後期修了博士(理学)専門分野:走査型透過電子顕微鏡法,電子エネルギー損失分光法現在の研究テーマ:電子エネルギー損失分光法を用いた局所電子状態解析14日本結晶学会誌第61巻第1号(2019)