ブックタイトル日本結晶学会誌Vol60No2-3

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概要

日本結晶学会誌Vol60No2-3

LysRタイプ転写調節因子CbnRのDNA結合ドメインとDNAとの複合体構造図7CbnR_DBD?RBS複合体とBenM_DBD?RBS複合体の相互作用.(Protein-nucleotideinteractionsofCbnR_DBD?cbnARBScomplexandBenM_DBD?benARBScomplex.)(a)DNAを構成するチミンとアデニン,シトシンとグアニンの塩基対.選択的な相互作用に用いられる原子を太文字で示す.(b)cbnA RBS配列と相互作用しているCbnR_DBDのアミノ酸残基を示す.(c)benA RBS配列と相互作用しているBenM_DBDのアミノ酸残基を示す.糖リン酸骨格と相互作用しているアミノ酸残基を黒文字で,塩基と非選択的な相互作用をしているアミノ酸残基を黒文字斜体で,選択的な相互作用をしているアミノ酸残基をグレー斜体で示す.(d)CbnR_DBDとBenM_DBDのアミノ酸配列のアラインメント.アミノ酸の相同性は48%である.CbnRのAla変異体のcbnAプロモーターへの作用をゲルシフトアッセイとレポーターアッセイで解析した結果を下に示す(+:結合・活性化,△:弱く結合・弱く活性化,?:結合も活性化もしない)(Moriuchi et al.,2017 16),Koentjoro et al.,2018 14)を基に改変).矢印は,CbnRのThr33,BenMのSer33の位置を示す.がすべての塩基で共通しているDNAの糖-リン酸骨格との相互作用,2)塩基対に依存して異ならない非特異的な相互作用,3)塩基対に依存して異なる特異的な相互作用の3つに分けて整理することにした.日本結晶学会誌第60巻第2・3号(2018)LTTRがプロモーター配列を選択的に認識する仕組みについて考察する際に注目すべきポイントは,塩基対の違いによってDNA結合ドメインとの間に異なる相互作用を生み出す特異的な相互作用である.そのような観139