ブックタイトル日本結晶学会誌Vol58No3

ページ
48/58

このページは 日本結晶学会誌Vol58No3 の電子ブックに掲載されている48ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

概要

日本結晶学会誌Vol58No3

158日本結晶学会編集委員会編集後記複写される方へ本誌に掲載された著作物を複写したい方は,社団法人日本複写権センターと包括複写許諾契約を締結されている企業の従業員以外は,図書館も著作権者から複写権等の行使の委託を受けている次の団体から許諾を受けて下さい.著作物の転載・翻訳のような複写以外の許諾は,直接本会へご連絡下さい.〒107-0052 東京都港区赤坂9-6-41 乃木坂ビル 学術著作権協会TEL: 03-3475-5618 FAX: 03-3475-5619 E-mail: info@jaacc.jpアメリカ合衆国における複写については,次に連絡して下さい.Copyright Clearance Center, Inc.222 Rosewood Drive, Danvers, MA 01923 USAPhone: (978)750-8400 FAX: (978)750-4744制作・印刷 日本印刷株式会社編集委員長森   茂 生副委員長植 草 秀 裕後 藤 義 人宮 原 郁 子幹  事東   正 樹五十嵐 教 之大 胡 惠 樹尾 関 智 二杉 山 和 正田 中 信 忠中 尾 朗 子中 塚 晃 彦委  員浅 香   透阿 部   洋大 原 高 志奥 部 真 樹小 澤 芳 樹尾 瀬 農 之角 田 佳 充栗 林 貴 弘後 藤   勝小 松 一 生杉 本 邦 久関 根 あき子千 田 美 紀根 本   隆橋 本   博馬 場 清 喜水 牧 仁一朗門 馬 綱 一山 田 幾 也和 田   啓編集室鈴 木   衛若 林 千賀子高校化学の教科書の表紙裏面に,「元素の周期表」が掲載されているのをよく見かけます.この「元素の周期表」をよくみると,112番目コペルニシウム(Cn),114 番フレロヒウム(Fl),116 番目リバモリウム(Lv)と記載してあり,113番,115番が抜け落ちています.しかし,2015年末に113番,115番,117番,118番の4元素が正式にIUPACに認定されたことで,周期表が第7周期まで埋まったことになります.先日113番目の元素ウンウントリウム(Uut)が日本で発見されたことにちなんでニホニウム(Nh)と名づけられたことが発表されました.同時に,ロシアで発見された115番目の元素ウンウンペンチウム(Uup)がモスコビウム(Mc)に,118番目のウンウンオクチウムがオガネソン(Og)に,アメリカ・テネシー州で発見された117番目のウンウンセプチウムがテネシン(Ts)と名づけられました.4元素とも自然界には存在せず,人工的に作製されたものです.天然に存在する元素は,インドにおける亜鉛,南アメリカにおける白金以外はすべてヨーロッパで発見されています.「元素は何番目まで存在できるのか?」は現時点ではわかっていませんが,今後も日本製の元素が登場するかもしれません.われわれの身の回りにある自然も暮らしもすべて元素記号で書かれています.そして,自然現象や生命活動を探求し理解することは,物質科学の1つの目標です.そのためには,物質・材料や生命体内での原子や分子の配列の仕方や運度を,さらには電子の動きを理解する必要があります.現在ピコ秒やフェムト秒の時間スケールで原子や分子の配列や動きに加えて,電子の動きを直接観察できるようになってきています.今後の実験技術や実験装置の向上により,現在われわれが見えると考えていないような空間スケールや時間スケールで自然現象や生命活動の本質が見えてくると期待できます.われわれの予想もしないような物質世界が近い将来開けてくることを期待します.結晶学は先人が築いてきた膨大で地道な基礎研究に支えられて構築された学問ですが,「22世紀の結晶学はどうなっているか?」「22 世紀の構造解析はどうなっているか?」を少し考えながら,日本結晶学会誌の編集を行っていきたいと思っています.(森 茂生)日本結晶学会誌 Vol.58, No.3平成28 年6 月30 日発行 昭和41 年12 月22 日 第4 種郵便物認可編集人 森 茂生(大阪府立大学大学院工学研究科)発行人 一般社団法人日本結晶学会〒162-0801 東京都新宿区山吹町358-5 アカデミーセンター  TEL.(03)5389-6372 FAX.(03)3368-2822(編集室) 〒170-0013 東京都豊島区東池袋4-41-24 東池袋センタービル2F  TEL.(03)5911-8671 FAX.(03)3971-1214