ブックタイトル日本結晶学会誌Vol57No3

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概要

日本結晶学会誌Vol57No3

クリスタリットなる2つの立体構造をもつこと,C-MAD2構造のみターゲットタンパク質を認識できることが示されている.さらにC-MAD2とO-MAD2は互いに相互作用することでそれぞれの構造に影響を与え合うことも報告されている.((公財)微生物化学研究会微生物化学研究所藤岡優子)Tetra-PEGゲルTetra-PEG GelTetra-PEGゲルは4分岐のポリエチレングリコール骨格の末端に官能基がついた構成をしたゲルである.1)自発的に結合する官能基を末端に付けた2種のTetra-PEGゲルの溶液を混合することでゲル化する.官能基の組み合わせとしては活性カルボキシル基およびアミンの系が代表的であり,この組み合わせはpHによってゲル化時間を細かに調節することが可能である.一般的に高分子ゲルはネットワークの均一性が高いほど強度に優れることが知られている.Tetra-PEGゲルはその構造とゲル化時間を調整することでゲルのネットワークに高い均一性をもたせることができる.1)T. Sakai, T. Matsunaga, Y. Yamamoto, C. Ito, R. Yoshida, S. Suzuki,N. Sasaki, M. Shibayama and U. Chung: Macromolecules 41, 5379(2008).(北海道大学大学院先端生命科学研究院篠田晃)フィルター補正逆投影Filtered Back Projection測定対象の周りを回転しながら,もしくは測定対象を回転させながら撮影した投影像のデータから測定対象の断層面を再構成するための画像処理の手法の1つであり,CT(Computed Tomography)を代表として広く使われている.投影像のデータから断層面を計算することを逆投影と呼ぶ.単純な逆投影では断層面の像がぼやけるが,これに対して画像処理フィルターをかけることにより補正することでコントラストのはっきりとした投影像を得ることができる.これをフィルター補正逆投影と呼ぶ.(北海道大学大学院先端生命科学研究院篠田晃)GPGPUグラフィックボード(GPU)は画像処理を専門とするハードウェアで,画像処理に必要な短時間での大量の計算処理に特化している.画像処理では単純な計算処理を繰り返し行うことが多いが,GPUはこの単純な計算処理に特化することでCPUに比べて高い演算能力をもつ.高い演算能力を画像処理以外にも利用できるように応用した技術がGPGPU(General-purpose computing ongraphics processing units)である.(北海道大学大学院先端生命科学研究院篠田晃)206日本結晶学会誌第57巻第3号(2015)