ブックタイトル日本結晶学会誌Vol56No3

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日本結晶学会誌Vol56No3

日本結晶学会編集委員会編集委員長杉山和正副委員長植草秀裕寺内正己宮原郁子幹事五十嵐教之大胡惠樹尾関智二木村正雄後藤義人佐賀山基田中信忠森茂生委員阿部洋稲葉克彦大原高志奥部真樹小澤芳樹木村宏之栗栖源嗣齋藤晃関根あき子田中良和玉田太郎藤間祥子中塚晃彦長谷川和也森吉千佳子門馬綱一安田伸広和田啓編集室鈴木衛若林千賀子編集後記私が鉱物に初めて出会ったのは小学生3年生の時でした.本号の「未来にはばたけ」でも紹介されているように,今でも宝物としてもっている綺麗な水晶を採集し…鉱物の魅力にはまり…と紹介できればかっこいいのですが,実際私が手にしたのは父親がなぜかもっていたベルヌイ法で作製したルビーでした.話の流れを大切にするならば,宝石ではなく鉱物ですから,酸化クロム(III)を極微量固溶したコランダムと書くべきなのかもしれませんがルビーも許容範囲でしょう.しかし,さすがに色がついていない酸化アルミニウム基板を,ラテン語の青の意味を語源にもつサファイアと呼ぶことには耐えられず,よせば良いのに材料関連学会で「GaNをコランダム基板に成長させ…」と説明し,発表が終わってからやっぱやめとけばよかったと反省することが何度もあります.私,“鉱物”がかかわってくると突然めんどくさい人間になっちゃうんです.鉱物の名前は,化学組成範囲と結晶構造を規定しますので,学術用語複写される方へ本誌に掲載された著作物を複写したい方は,公益社団法人日本複写権センターと包括複写許諾契約を締結されている企業の従業員以外は,図書館も著作権者から複写権等の行使の委託を受けている次の団体から許諾を受けて下さい.著作物の転載・翻訳のような複写以外の許諾は,直接本会へご連絡下さい.〒107-0052東京都港区赤坂9-6-41乃木坂ビル学術著作権協会TEL: 03-3475-5618 FAX: 03-3475-5619 E-mail: naka-atsu@muj.biglobe.ne.jpアメリカ合衆国における複写については,次に連絡して下さい.Copyright Clearance Center, Inc.222 Rosewood Drive, Danvers, MA 01923 USAPhone: (978)750-8400 FAX: (978)750-4744日本結晶学会誌Vol.56, No.3平成26年6月30日発行昭和41年12月22日第4種郵便物認可編集人杉山和正(東北大学金属材料研究所)発行人日本結晶学会〒162-0801東京都新宿区山吹町358-5アカデミーセンターTEL.(03)5389-6372 FAX.(03)3368-2822(編集室)〒113-0034東京都文京区湯島3-20-12第2ツナシマビル2FTEL.(03)3833-6488 FAX.(03)3833-6489制作・印刷日本印刷株式会社としてこれほど便利なものはありません.そして同時にその鉱物を体系化する鉱物学は,平面格子からブラベ格子の導き方を手ほどきしてくれますし,さらに結晶形態と点群の関係をみっちりと教育してくれます.また,各種結晶材料に展開できる基本構造や組成バリエーションを整理してくれるのも鉱物学です.すなわち鉱物学は,結晶学の基礎とともに萌芽し,これまで近代結晶学とともに大きく発展し,近代社会には材料素材・環境資源という形で密接にかかわり,本年世界結晶年を迎えているのです.本号では,世界結晶年としての企画として鉱物系の題材をあつめたミニ特集を組みました.近代結晶学の発展とともに鉱物学はどのような道を歩んできたのでしょうか?そして鉱物学は,世界結晶年を迎え結晶学のさらなる発展にどのような貢献ができるのでしょうか?本企画が,鉱物学を嗜好する結晶学者の新しい発展の一助となれば幸いです.(杉山和正)222