ブックタイトル日本結晶学会誌Vol56No3

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日本結晶学会誌Vol56No3

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日本結晶学会誌Vol56No3

クリスタリット凍結ができる.((公財)高輝度光科学研究センター馬場清喜)多糖の加水分解Hydrolysis of Polysaccharides自然界には,セルロースやキチンといったさまざまな多糖類を分解する多種多様な糖加水分解酵素が存在する.これらの酵素はアミノ酸配列の相同性から約130のファミリー(Glycoside hydrolase family, GHファミリー)に分類されている.多糖類を構成する環状構造をもった糖には立体異性体(アノマー)が存在するが,糖加水分解酵素の触媒反応では,反応前後でアノマーを反転させるものと保持するものに大別できる.一般的に,アノマー反転型酵素の反応は一段階で進行するのに対し,保持型酵素では反応中間体を介して二段階で進行する.糖加水分解酵素の活性中心の糖結合部位をサブサイトと呼び,糖鎖の切断部位から非還元末端側の1番目, 2番目……の糖が結合する部位を-1サブサイト,-2サブサイト……,還元末端側の1番目, 2番目……の糖が結合する部位を+1サブサイト,+2サブサイト……と名づけることがDaviesらによって提唱されている.(大阪大学蛋白質研究所有森貴夫)214日本結晶学会誌第56巻第3号(2014)