ブックタイトル日本結晶学会誌Vol56No3

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日本結晶学会誌Vol56No3

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概要

日本結晶学会誌Vol56No3

馬場清喜,熊坂崇5.おわりに今回は報告できなかったが, HAG法の効果として,最適湿度の検討による結晶の質の改善(回折能の向上)や,精密な湿度調整による分子構造変化の誘導に由来する結晶の相転移現象が確認されており,高精度測定や動的構造解析への発展が期待できる.また,浸透性抗凍結剤を減らす効果で従来検出できなかったイオンの存在が確認できた事例もあり,結合の弱いリガンドとの複合体解析などにも有用と考えられる.さらに,最先端の放射光光源であるX線自由電子レーザー(XFEL)で開発が進められているSerial FemtosecondCrystallography(SFX)では,微小結晶や照射損傷のない構造解析が試みられているが,数万個以上の同形な結晶から回折像を取得する必要がある.格子定数を制御できるこの方法をこの実験に適用できれば,データ精度の向上が期待できると考えている.謝辞本稿で紹介した研究では,理研RSC吾郷日出夫博士からヒト由来LTC 4Sの結晶を,産総研小田原孝行博士からBvRC結晶を提供していただきました.日本酢ビ・ポバール㈱技術開発部松岡敏文氏,木村佳弘氏,河西将利氏には,種々のPVAをご提供いただきました.湿度調整装置HUM-1の改造では㈱リガク熱事業部田中宣弘氏にご協力いただきました.深くお礼申し上げます.この研究の一部は,科研費(23121537)の予算により実施されました.文献1)D. J. Haas and M. G. Rossmann: Acta Cryst. B26, 998 (1970).2)E. F. Garman and T. R. Schneider: J. Appl. Cryst. 30, 211(1997).3)G. A. Petsko: J. Mol. Biol. 96, 381 (1975).4)T. Y. Teng: J. Appl. Cryst. 23, 387 (1990).5)K. V. Dunlop, R. T. Irvin and B. Hazes: Acta Cryst. D61, 80(2005).6)R. Kiefersauer, M. E. Than, H. Dobbek, L. Gremer, M. Melero,S. Strobl, J. M. Dias, T. Soulimane and R. Huber: J. Appl.Cryst. 33, 1223 (2000).7)S. Baba, T. Hoshino, L. Ito, T. Kumasaka: Acta Cryst. D60,1839 (2013).8)R. H. G. Baxter, B. L. Seagle, N. Ponomarenko and J. R.Norris: Acta Cryst. D61, 605 (2005).9)H. Ago, Y. Kanaoka, D. Irikura, B. K. Lam, T. Shimamura, K.F. Austen and M. Miyano: Nature 448, 609 (2007).10)I. Dobrianov, S. Kriminski, C. L. Caylor, S. G. Lemay, C. Kimmer,A. Kisselev, K. D. Finkelstein and R. E. Thorne: Acta Cryst.D57, 61 (2001).11)F. J. Lopez-Jaramillo, A. B. Moraleda, L. A. Gonzalez-Ramirez,A. Carazo and J. M. Garcia-Ruiz: Acta Cryst. D58, 209 (2002).プロフィール馬場清喜Seiki BABA(公財)高輝度光科学研究センタータンパク質結晶解析推進室Research & utilization Division, Japan SynchrotronRadiation Research Institute〒679-5198兵庫県佐用郡佐用町光都1丁目1-11-1-1 Kouto, Sayo, Hyogo 679-5198, Japan最終学歴:千葉工業大学大学院工学研究科工業化学専攻専門分野:放射光構造生物学現在の研究テーマ:タンパク質結晶からの高精度構造解析手法の開発熊坂崇Takashi KUMASAKA(公財)高輝度光科学研究センタータンパク質結晶解析推進室Research & utilization Division, Japan SynchrotronRadiation Research Institute〒679-5198兵庫県佐用郡佐用町光都1丁目1-11-1-1 Kouto, Sayo, Hyogo 679-5198, Japan最終学歴:東京工業大学大学院生命理工学研究科バイオサイエンス専攻専門分野:放射光構造生物学現在の研究テーマ:タンパク質の高精度構造解析と構造機能相関の解明200日本結晶学会誌第56巻第3号(2014)