ブックタイトル日本結晶学会誌Vol56No2

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日本結晶学会誌Vol56No2

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概要

日本結晶学会誌Vol56No2

川崎卓郎に十分耐え得る結果が得られることがわかり,今後のビーム強度の増強や,光学系の改良によるS/Nの向上,データ処理技術の高度化によって,建設当初の目標に掲げた0.5 mm角の試料での結晶構造解析は達成できる見込みです.また,今後,パルス中性子の特色を活かして逆格子空間に広がる散漫散乱強度を三次元的に測定し,イオン伝導体など不規則性を含んだ物質の構造研究に適用したいと考えています.昨年4月からは現在の立場への変更とともに担当する装置も変更となり,工学材料回折装置匠(BL19)のグループへと移りました.この装置は主として構造材料の力学特性を中性子回折を使って調べるための装置です.これまでの研究とは分野が異なり戸惑うことも多くありますが,違った観点で回折法を使った研究に取り組むことで考え方の幅が広がった気がします.まだまだ学ぶべきことは多いですが,今年度からは中性子の高い透過能を利用して実用材料中の物質の構造を探る研究を始めようとしています.大学に入学してから茨城県での生活も14年目を迎えました.まさかこんなに長くいるとは夢にも思っていませんでしたが,まだまだ延びそうです.関西弁が怪しくなってくる一方,茨城弁は一向に身に付きませんが,今後もここ東海村で中性子回折を使った結晶構造研究に励んで行こうと思いますので,皆様よろしくお願いいたします.140日本結晶学会誌第56巻第2号(2014)