CrSJ Keynotesオンライン講演会のご案内
日本結晶学会では、2022年度よりオンライン講演会CrSJ Keynotesを開催しています。2024年度の講演会が決まりましたのでお知らせいたします。
CrSJ Keynotesでは、研究室を主催するPIにより、年会やシンポジウムのようなスポットライト的な講演では紹介しきれない研究分野の歴史や研究の大きな流れをお話しいただき、聴講者の皆様に結晶学の魅力や広範な研究分野への拡がりを感じていただく機会になることを期待しています。講演後の質疑時間も十分に確保しておりますので、是非ご参加いただければ幸いに存じます。
なお、CrSJ Keynotesは学会員ではない学生や若手研究者の方にもご参加いただけますので、皆様の周りに興味のある方がいらっしゃいましたら是非ご紹介下さい。
第1回
日時:2024年10月 8日(火) 16:00-18:00(ZOOM meeting)
講師:木下 誉富 先生(大阪公立大学大学院理学研究科)
演題:キナーゼの構造生物学と創薬研究
要旨:ヒトに存在する518 種のキナーゼは、どれも生命にとって必要不可欠であるだけに、絶妙に制御された活性バランスの崩壊はガンなどの重篤な疾患につながる。疾患標的キナーゼに特異的に作用する阻害薬を開発するためには、X線結晶構造解析による標的キナーゼと医薬品候補化合物との結合様式の解析が欠かせない。さらに、キナーゼの構造生物学及び創薬研究を進化させるためには、分子動力学計算やX線溶液散乱データによる動的解析を駆使して、生体内でのダイナミズムを理解することが重要になる。本講演では、キナーゼに関する構造生物学と、構造知見を基盤としたキナーゼ創薬の現状と将来への展望を解説する。
協賛:(公社)日本化学会、(公社)日本分析化学会、(公財)日本薬学会、(公財)高分子学会
第2回
日時:2024年11月20日(水) 16:00-18:00(ZOOM meeting)
講師:燒山 佑美 先生(大阪大学大学院工学研究科)
演題:分子骨格の特長を生かした有機結晶性材料開発
要旨:有機分子性結晶を基盤とした材料創製においては、物性の根幹を担う有機分子そのものの電子的性質の理解はもちろん、それらがどのように相互作用し、最終的にどういった集合構造を構築するのかを知ることが極めて重要である。水素結合部位やCT性相互作用部位など適切な置換基の導入による結晶構造コントロールはCrystal Engineeringと呼ばれ、超分子分野でも広く用いられている。これと同様に、ときにそれ以上に重要なのが、分子が持つ骨格・形状そのものであり、これをうまく理解することで狙った集合構造・物性の発現が可能となる。本講演では「お椀」と「バタフライ型」という2種類の特徴的な形をもつ分子が創る集合構造とその機能について解説する。
協賛:(公社)日本化学会、(公社)日本分析化学会、(公社)化学工学会、(一社)触媒学会、(一社)化学情報協会
第3回
日時:2024年12月13日(金) 16:00-18:00(ZOOM meeting)
講師:朝日 透 先生(早稲田大学大学院先進理工学研究科)
演題:G-HAUPが拓く多様な研究分野とキラル結晶学
参加登録はこちらから 参加登録締切 12月11日(水)
行事委員長 久保田佳基
kubotayoshiki(at)omu.ac.jp,(at)をアットマークに置き換えてください。