ブックタイトル日本結晶学会誌Vol60No5-6

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概要

日本結晶学会誌Vol60No5-6

「第7回対称性・群論トレーニングコース」のサポートスタッフとして参加してが人気,好評な理由の1つかと思った.もちろん先生から勉強してくるようにと指導(指令(?))をもらって来ましたという方も.懇親会の後,夜の質問会が宿舎の談話室であった.つまみと飲み物を用意し待っていると,続々と人が集まり,そこにあった椅子では足りずほかの所から椅子を運び込んだ.スタッフは22時頃にはお暇したが,20人弱の方が講師に熱心に質問をし,講師は口頭での説明だけでなくスライドを使って説明もされていた.24時過ぎまで質問会が続き,アルコール飲料はほとんど消費されずに残ったと伺い,参加者の熱意にいささか驚いた.おぼろげな記憶では2014年の質問会では,どちらかと言うと数人と二次会の飲み会をしていたような雰囲気だったか.懇親会の後の夜の質問会の2日目以降はどれくらいの参加者が集まるか心配であった.しかし,1日目より少なめとはいえすべての椅子が埋まるほどの受講者が参集し杞憂に終わった.初日の懇親会のアルコール飲料がまだ余っており,飲みながらざっくばらんに質問をしてくださいと声がけをしたが,それを飲まずに次々と質問をしている様子から,参加者の熱意を改めて感じた.数年来取り組んでいるこのコースのこれまでの成果が意欲的な受講者を集めているにちがいないと改めて感じた.とくに感銘を受けたのは,マッシモ先生が受講生の質問をしっかりと粘り強く聞き,本人の理解度に合わせて適切なアドバイスをされていたことである.教育にはコミュニケーションが基本であり,理解したいという受講生,理解して欲しいと思う指導者双方の強い気持ちがうまくかみ合うことが重要だと今更ながら感じた.3日目になると日中の講義もさらに活性化し,皆の前で白板に書きながら課題を解く,また,一人一人に質問し課題を解かせるなど参加型の授業が展開された.学生も打ち解けてきて日中の講義でもポツポツと質問をする姿が徐々に多くみられるようになった.「カレーランチ」スタイルの4日目の昼食では,メニュー豊富なカレー,ナンやサフランライスを選択できた.参加者はあまり多くなかったが,皆さんカレーと会話を楽しんでいた.食事の話題としてほかには,受講者の中には食事に満足していなかった方もいたかもしれない.毎食,同じ食堂,またはコンビニで済ませていたようだし,「生野菜が食べたい」という受講生の声もあったので.結晶学会主催で野菜料理を含む楽しいランチを新たに企画するのは可能だろうか.4日目最後の夜の質問会も,当日の課題の復習,翌日の課題の予習で日をまたいで行われた.メンバーが固定していたようだが,夜は元気に白熱した議論が交わされていた.ただ,質問会の部屋に設置されているホワイトボードが汚れていて,ほとんど役を果たしていなかったことが悔やまれる.3.派遣された会員のサポートや運営について作業項目をリストする.質問プリントの配布の補助.照明の調節.説明ホワイトボードの位置調節.雰囲気を伝えるための講義中や懇談会での写真撮影.午前,昼食後,午後の休憩時のコーヒーの準備,補充,お茶菓子の盛り付け,片付け.夜の質問会の準備.今回は懇親会のテーブルの設置など(直後に夜の質問会の会場の準備に移動したので,懇親会会場の片付けはしなかった).今回は2名/日で割り当てた.サポート全般として,マッシモ先生の講義を学問的にサポートできる方の参加もあれば受講生に役立つだろう.例えば,課題を取り組む受講生にInternational Tablesの対称要素の記号の意味や表記を説明したり,相転移を説明したり,できるのでは.運営については,事務局,実行委員の方をはじめ関係の皆さまが,受講者にとってためになる講習になるよう心がけてサポートされている姿に感銘を受けた.マッシモ先生の教育者としての姿勢には学ぶことが多くサポートとして参加させていただくことで得難い体験をできたと感じた.また,サポートのメンバー同士は研究分野が異なっていたが,いろいろお話ができて,とても楽しくまた勉強になる有意義な交流の時間を過ごせた.このようなわけで,日本結晶学会の会員,特に若手の方には次回のサポートのボランティアに参加されることをぜひお勧めする.次回のサポートに興味のある方は坂田まで連絡をください.ところで,講義の内容ではないが,以前は講師が日本語を上手に話すのに驚いたが,今回は講師の絶妙な話術に何度か大笑いしたり,感嘆したりする場面もあった.また,毎回恒例の会員募集中と宣伝しましたが,何人入ってくれるか,楽しみです.日本結晶学会誌第60巻第5・6号(2018)269