ブックタイトル日本結晶学会誌Vol60No5-6

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概要

日本結晶学会誌Vol60No5-6

日本結晶学会誌60,268-269(2018)「第7回対称性・群論トレーニングコース」のサポートスタッフとして参加して物質・材料研究機構坂田修身東京大学藤間祥子理化学研究所橋爪大輔大阪府立大学森茂生本年8月6~10日に,日本結晶学会が主催となり「第7回対称性・群論トレーニングコース」が高エネルギー加速器研究機構で開催された.講師のネスポロ・マッシモ博士(フランス・ロレーヌ大学結晶学教室教授)が結晶学で重要な基本概念と幾何学との関係を軸に講義のみならず演習を交えて進められた.参加者は42名(1名が直前でキャンセル)3名が離脱して,最後マッシモ先生のサイン入り修了証を貰ったのは39名であった.日本結晶学会から4名の会員:坂田(6,7日),藤間(6~8日),橋爪(8~10日),森(9,10日)が派遣されボランティアで運営をサポートした.1.講義について今回学部生から研究員まで参加されたが,大学院生が多数派のように見えた(図1).講師からの質問に対してはじめはあまり反応が良くなかったが,徐々に良くなった.1日目の懇親会の効果か,2日目は講師と参加者とのやりとりの頻度も多くなった.講義の日数が2014年では3日だったのが5日に増え,それに応じて講義資料のページ数も245ページから406ページに増えた.講義の説明がよりわかりやすくなった印象をもった.3日目は台風接近のため風が強く雨も降り始めたが,遅刻者もなく時間どおりに講義は始まった.講師の質問に対して参加者のレスポンスが良くなかったが,その理由はすぐに予想できた.毎日出る課題や予習復習のために寝不足の参加者が多かったようだし,また自主参加の質問会も連日深夜に及んでいたので疲れが出始めたのかもと….そのような状況でも3日目以降の講義の内容は前半の講義を理解していることが前提となるので,講義に必死にかつ集中してくらいついている様子もうかがえた.そうなると,カフェインの補給がますます重要になると思い,コーヒー準備に精を出した.最終日の講義,マッシモ先生から全体的に元気のない受講生に激が飛び,受講生も真剣に課題に取り組んだ.特に相転移に伴い対称性が低くなった結晶の初期構造を,転移前の高い対称の構造から得る課題で,受講生四苦八苦している様子.これまでの講義の集大成であるので,総合的な理解が試された.講義もすべて終わり,最後の修了証の授与では,満足そうにもらう方,恥ずかしそうにもらう方,みなさん非常に個性的だった.さて,日中の講義でも夜の質問会のような積極的な姿勢が受講者にみられるようにすることが,今後の課題の1つではないだろうか.図1講義が始まり,緊張感をもって講義を聴講している様子.2.講義以外について:懇親会,質問会,カレーランチ緊張した様子の講義の受講が終わり,まずは1日目無事に終わりお疲れさまとスタートした懇親会は,今回は食堂ではなく多目的室のような部屋にテーブルをセットして行われた.KEKの組織委員の先生らの挨拶や参加者への最終日までしっかり頑張れという激励から始まり,参加者が喉を潤し,食べ物をいただきながら,参加者一人ずつ自己紹介があった.話題は取り組んでいる研究のこと,トレーニングコースを今後どう活かしたいか,はたまた趣味は云々などそれぞれでした.先輩,知人がとても勉強になったので,ぜひ参加をとお勧めされたと発言された方がとりわけ多かった.これが,このコース268日本結晶学会誌第60巻第5・6号(2018)