ブックタイトル日本結晶学会誌Vol59No5

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概要

日本結晶学会誌Vol59No5

クリスタリット走査透過電子顕微鏡法におけるエネルギー分散型X線分光法(STEM-EDS)Scanning Transmission Electron Microscopy -Energy Dispersive X-ray SpectroscopySTEM-EDSとは走査透過電子顕微鏡(STEM)において電子プローブを試料上で走査する際に,試料から発生した特性X線をエネルギースペクトルとして収集し,各走査点とスペクトルを対応させることで元素ごとの空間分布(元素マップ)を得ることができる手法である.元素マップの空間分解能は,STEMの電子線プローブの大きさに依存する.電子線プローブを原子レベルまで細く絞ることが可能な収差補正型STEMでは,原子スケールの元素マップを取得することが可能である.また,通常のSTEM観察に適した試料厚みであれば,X線の吸収や制動放射の寄与でスペクトルの形状(ピークの裾やプラトーなど)はほとんど変化しない.したがって,あらかじめ取得しておいた元素のX線ピークを参照することでピークの重なったEDSスペクトルから波形分離を行うことが可能であり,未知の含有元素の検出や複数の元素の識別にも有効な手段である.(東京大学大学院工学系研究科総合研究機構熊本明仁,柴田直哉)お詫びと訂正本誌57巻2号掲載の談話室「『斜方晶系』をやめて『直方晶系』を使おう」(Vol.57 No.2 pp.131-133)について,図1と図2に誤りがございました.お詫びして訂正いたします.(誤)(正)b-ao-baac-bo-ao-baOcab図1図2図1図2258日本結晶学会誌第59巻第5号(2017)