ブックタイトル日本結晶学会誌Vol59No5

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概要

日本結晶学会誌Vol59No5

点群,空間群の部分群表4 Wulfingiteの16個の等価な記述.空間群に属しないユークリッド正規化群の操作はこれらの記述を関連付ける.xyzxyzxyzxyzZn0.07100.65000.62390.57100.65000.62390.07100.15000.62390.07100.65000.1239O10.11660.12780.12780.61660.12780.12780.11660.62780.12780.11660.12780.6278O20.16600.31780.71970.66600.31780.71970.16600.81780.71970.16600.31780.2197D10.47340.35930.84200.97340.35930.84200.47340.85930.84200.47340.35930.3420D20.25870.81620.15060.75870.81620.15060.25870.31620.15060.25870.81620.6506Zn0.57100.15000.62390.57100.65000.12390.07100.15000.12390.57100.15000.1239O10.61660.62780.12780.61660.12780.62780.11660.62780.62780.61660.62780.6278O20.66600.81780.71970.66600.31780.21970.16600.81780.21970.66600.81780.2197D10.97340.85930.84200.97340.35930.34200.47340.85930.34200.97340.85930.3420D20.75870.31620.15060.75870.81620.65060.25870.31620.65060.75870.31620.6506Zn0.92900.35000.37610.42900.35000.37610.92900.85000.37610.92900.35000.8761O10.88340.87220.87220.38340.87220.87220.88340.37220.87220.88340.87220.3722O20.83400.68220.28030.33400.68220.28030.83400.18220.28030.83400.68220.7803D10.52660.64070.15800.02660.64070.15800.52660.14070.15800.52660.64070.6580D20.74130.18380.84940.24130.18380.84940.74130.68380.84940.74130.18380.3494Zn0.42900.85000.37610.42900.35000.87610.92900.85000.87610.42900.85000.8761O10.38340.37220.87220.38340.87220.37220.88340.37220.37220.38340.37220.3722O20.33400.18220.28030.33400.68220.78030.83400.18220.78030.33400.18220.7803D10.02660.14070.15800.02660.64070.65800.52660.14070.65800.02660.14070.6580D20.24130.68380.84940.24130.18380.34940.74130.68380.34940.24130.68380.3494Pmmm=P2 12 12 1∪t(?00)・P2 12 12 1∪t(0?0)・P2 12 12 1∪t(00?)・P2 12 12 1∪t(??0)・P2 12 12 1∪t(?0?)・P2 12 12 1∪t(0??)・P2 12 12 1∪t(???)・P2 12 12 1∪1・P2 12 12 1∪1・t(?00)・P2 12 12 1∪1・t(0?0)・P2 12 12 1∪1・t(00?)・P2 12 12 1∪1・t(??0)・P2 12 12 1∪1・t(?0?)・P2 12 12 1∪1・t(0??)・P2 12 12 1∪1・t(???)・P2 12 12 1.Wulfingiteの等価な記述を表4に示した(データは文献6)による.原子座標は室温の解析結果を用いている).見かけ上別の構造と思われるが実はすべて同じ構造の等価な記述である.7.因子群(商群,剰余群)HがGの正規部分群(H?G)の場合,Gの各剰余類を「元」として考えるとこれらの剰余類は群を形成する.その群は,因子群(factor group),商群(quotient group)あるいは剰余群(residue class group)と呼ばれる.演習問題8剰余類を形成することを本稿第一章を参考に確認せよ.並進群の場合はどうであろうか.因子群は,G/Hという記号で表示することができるが,ある空間群の正規部分群である並進群Tに対する因子群G/Tは特別な意味をもっている.同一の幾何的結晶類に属する空間群タイプのG/T乗積表を導いてみるとGの点群であるPの乗積表と非常に類似することに気付く.実はG/T因子群はPと同型群で演習問題の解答はJ-Stageに付録として掲載してあります.日本結晶学会誌第59巻第5号(2017)ある.このことを,2/m幾何的結晶類に属する6個の空間群タイプP2/m,P2 1/m,P2/c,P2 1/c,C2/m,C2/cで確認してみよう.6個の空間群タイプの対称操作のパラメトリック表現は以下のようになる.ただしここでは,原点を反転中心においている.P2/m:{1|pqr},{2 010|pqr},{1|pqr},{m 010|pqr}P2 1/m:{1|pqr},{2 010|p,q+?,r},{1|pqr},{m 010|p,q+?,r}P2/c:{1|pqr},{2 010|p,q,r+?},{1|pqr},{m 010|p,q,r+?}P2 1/c:{1|pqr},{2 010|p,q+?, r+?},{1|pqr},{m 010|p,q+?,r+?}C2/m:{1|pqr},{2 010|pqr},{1|pqr},{m 010|pqr},{1|p+?,q+?,r},{2 010|p+?, q+?, r},{?,|p+?,q+?,+r},{m 010|p+?,q+?,r}C2/c:{1|pqr},{2 010|p,q,r+?},{1|pqr},{m 010|p,q,r+?},{1|p+?,q+?,r},{2 010|p+?,q+?,r+?},{1|p+?,q+?, r},{m 010|p+?, q+?, r+?}p,q,rはすべて整数である.なお,並進部分群TはP単位胞の場合に{1|pqr},C単位胞の場合に{1|pqr}と{1|p+?,q+?,r}という操作で形成されている.p,q,rの各値を別々に考えると上記の表現は無限の対称操作を意味する.一方,p,q,rの無限に可能な値の集合を考えると上記の表現は有限の剰余類,要するに因子群を意味する.例えば,P2 1/cの対称操作{2 010|p,q+?,r+?}に{m 010|p,q+?,r+?}を作用させよう.pqrが特定の値の場合はその結果は{1|0,2q+1,0}であり,0,q+?,0を不変にする反転操作の意味である.逆にpqrが任意の値をとる場合は,結果は{1|p-p',q+q'+1,r-r'+1}={1|p'', q'', r''}となる.これは反転操作を含む剰余類である.要するに,上記のパラメトリック表現は(P2 1/c)/Tの因子群となっている.C単位胞の場合は並進操作だけ異なる剰余類を集め221