ブックタイトル日本結晶学会誌Vol58No6

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概要

日本結晶学会誌Vol58No6

AsCA 2016参加報告ホアンキエム湖近くの生花店.発表の様子(東北大学栗林准教授より提供).した様子がなかったので.この日は大学の卒業式があったようで,黒色の帽子とマントを身に着けた学生たちで構内は賑わっていました.卒業生の四角い帽子につけられた赤色の房飾りが鮮やかでよく目立ちます.会場に入るとあちらこちらから日本語が聞こえ,日本からの参加者がとても多いことがわかりました.正確な数は失念してしまいましたが,全体の1/4ほどが日本からの参加者だったのではないでしょうか.初日の午前中はSatellitemeetingを聴講し,午後はオープニングセレモニーの後,名城大学の飯島教授による講演を拝聴しました.TEMによる観察と結晶成長のダイナミクスまでが論じられており,低対称鉱物の結晶構造と結晶成長との関連を研究している筆者には大変興味深く印象的でした.2日目以降はStructural Biology,Chemical Crystallography,Specialized Techniquesの3つのパラレルセッションとなり,筆者はSpecialized Techniquesを主に聴講しましたが,全体としては生物や高分子に関する発表が多かったようでした.筆者が専門とする地球科学にかかわるものはMS-18:Crystallography for Earth, Planetary Sciences andRelated Techniquesです.MS-18は口頭発表が筆者を含めて6件(うち1件はキャンセル),ポスター発表が10件であり,6日の午後にポスター発表が,7日の午後に口頭発表が行われました.ポスター発表の時間が1時間15分と少々短く,あまり多くのポスターを見て回れなかったことは残念でした.さて,筆者自身の発表はというと,原稿を丸々読み上げる形になってしまったり,質疑応答に満足な対応ができなかったりと至らぬことばかりで反省点を挙げれば切りがありません.最終日の自分の発表ばかりが気掛かりで,それまでのほかの参加者の方の発表をじっくりと聞く余裕をもてなかったことも大変に口惜しく思います.次の機会までにはこれらの反省を踏まえて精進していきたいと考えています.ふと思い返すと,ほかの参加者の発表は話し方の緩急や身振り手振りなどなどのパフォーマンスに富んでいて,まったく知らない内容であっても興味深く聞くことができました.あのようなプレゼンテーションができるようになりたいものです.最後になりますが,この度のAsCA2016にはリガクファンドによる日本結晶学会2016年度国際会議参加助成のご支援の下で参加いたしました.この場をお借りしてお礼申し上げます.日本結晶学会誌第58巻第6号(2016)283