ブックタイトル日本結晶学会誌Vol56No6

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日本結晶学会誌Vol56No6

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概要

日本結晶学会誌Vol56No6

談話室合っていないものも多く,発表タイトルや予稿をよく見てから調べる必要があった.全体的な印象としては前回のIUCrでは「結晶構造予測(CSP)」「粉末未知構造解析」などが盛況な発表となっていたが,今回多くのグループでこれらが組み合わせて使われており,さらに固体NMRやその他の測定手法と合わせて解析しており,かなり盛況だったように思う.また,前回盛況だった「ハロゲン結合」といった内容が盛り込まれた発表は多くないように感じた.その他,MOFの発表も多かったが有機分子の共有結合でフレームワークを作るCOFやかご状分子といった多孔性結晶についての発表もあった.手法面の発表では電子回折やPDF(pair distribution function)といった手法も注目が集まっているように感じた.以下,参加したMicrosymposiumの発表について内容ごとにまとめた.粉末未知構造解析・CSP関係KN23 Insight from energy surfaces: structure prediction bylattice energy explorationMS07.O04 FIDEL: A new method for SDPD of nanocrystallineorganic compoundsMS07.O06 Powder Crystallography by Combining NMR andCrystal Structure PredictionsMS75.O04 Correlated defects in group 4 metal-organicframeworksMS75.O06 A combined high-pressure diffraction andcomputational study on scandium MOFsMS112.O01 Interpreting computed crystal energy landscapesfor pharmaceutical moleculesMS112.O02 Modeling molecular crystals with fragment-basedelectronic structure techniquesMS112.O04 First-year experience with fully automated crystalstructure prediction多孔性結晶関係MS35.O02 Photochemical Reactions of Hydrogen-bondedCoordination PolymersMS35.O03 Intra-molecular Interactions in Porous CovalentOrganic FrameworksMS43.O03 Exploiting weak supramolecular interactions toassemble organic cage materialsMS43.O05 Polyhalides as scaffolds for supramolecular, ionconductingcrown ether stacksMS67.O02 Hierarchical Construction of Versatile DiamondoidPorous Organic Salts(d-POS)MS112.O06 Exploring frontiers of crystalline porous materials電子回折MS24.O01 Single Crystal 3D Rotation Electron Diffractionfrom Nano-sized CrystalsMS24.O02 Electron diffraction tomography for structureanalysis of nanomaterialsClosing Ceremonyの様子PDFMS96.O02 RMCProfile: A step towards complex modellingMS96.O04 Nanostructure studies using complex modelingmethodMS99.O04 Amorphous Metal-organic Frameworks: Structure,Properties and ApplicationそのほかではPL03“The First X-ray Powder DiffractionMeasurements on Mars”では火星探査機に載せる粉末回折装置の開発についての話が大変わかりやすく面白い発表だった.ポスター発表は8月6, 7, 9, 11日の18:30~20:30という日程で行われた.会場は非常に広く体育館のような場所で,前後のスペースが十分に広かったが,ポスターが貼っていない場所もあり,場所によってはかなり空疎な感じもした.実際には多くの参加者がおり,発表内容もかなりレベルが高かった.学会前のアナウンスでは1 m×1 mサイズのポスターという決まりだったが実際には通常使うA0サイズのポスターを十分に貼れる大きさのパネルで, A0サイズのポスターを貼っている人も多かった.今回はプログラムや予稿がスマートフォンで見られるようになっており,それぞれの口頭発表でも共通のシステムからスライドを立ち上げるようになっていたりして,システム面が充実していたように思った.Closing Ceremonyでは次のIUCr会長M. L. Hackert教授ら新しいExecutive Committeeメンバーが紹介され,次々回2020年のIUCrはプラハで開催される運びとなった.またDesiraju会長からIUCr2017 Hyderabadの紹介が行われた.また, 3年後に期待したい.IUCr2014学会報告(財)高輝度光科学研究センター杉本邦久2014年8月5日~12日の8日間,カナダのモントリオールで開催された国際結晶学会連合会議に参加して参りましたので,専門としている化学分野(特に放射光科学)に関連した発表について報告させていだきます.化学分野に関連したマイクロシンポジウムは,純粋な結晶学だけでな414日本結晶学会誌第56巻第6号(2014)