ブックタイトル日本結晶学会誌Vol56No6

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日本結晶学会誌Vol56No6

世界結晶年(IYCr2014)日本の取り組みることになってしまった…(楽しかったのだけど).2.4講義2日目8/16(土)寝不足で迎えた講義2日目.こんな状態で講義についていけるのだろうかと心配だったが,少しの救いは,この日から対称操作などの内容が始まったこと.未熟者とはいえ,ある程度は結晶構造解析にかかわってきたため,これまでの抽象的な内容に比べると馴染みのある内容であった.二次元の晶ファミリーとブラベ格子から始まり,その基礎を学んだ後,三次元へと拡張する,といった内容であった.その後,対称操作に進み, International Tablesで馴染み深い格子点の演習を行った.ただ,私の専門分野はタンパク質結晶であり,鏡映操作を含む対称操作には馴染みがなかったため今さらながらではあるが新鮮であった.そんなこんなで2日目の講義が終了した.この日の夜はカレーが用意され,おいしかったのである.2.5講義3日目8/17(日)ハードな日々を乗り越え,いよいよ最終日.この日は前日の内容からさらに実践的(?)と言える消滅則から始まった.消滅則などは結晶構造解析を行っている人間にとっては基礎の基礎であるが,消滅則についての講義を聴きな栄誉の『修了証』がら「おー,そうだったのか!」とこの歳になってようやく納得していたのは秘密である.このように,これまでは「何となく」「そういうものだ」という状態で停止していた項目について1つずつ丁寧に講義が行われ,きちんと理屈で整理されてきた.ただ,さすがにここまで来ると整理されても収納する余力がなく,教授には申し訳ないことに,体力,思考能力ともに限界を迎えて最終日の講義が終了した.3.講義を受けて本講義は内容の高度さもさることながら,密度も高く,かなりハードな3日間(+半日)であった.具体的には9時に講義が始まり, 10時半頃にCoffee Break, 11時再開で12時半頃にランチとなる.午後の講義は14時から始まり(すこし海外っぽい?), 16時半頃に休憩,最後に17時から19時で終了.おおまかにはこのようなスケジュールであった.これだけ長時間連続で講義を受けることは20年近く前の学部時代以来であり,講義が終わった頃にはクタクタになっていた.『会議が始まれば寝てしまう体質』と日頃自認している私であるが,本講義では意識が飛ぶことが(ほとんど)なく,何とかついていけた(ような気がした)のは, Nespolo教授の講義内容の構成,教え方があってこそだったのかもしれない.今回残念ながら参加できなかった方々も含め,多くの人たちが参加できるように,今後もこのような企画が定期的に行われることを希望したい.末筆ながら, 4日間にわたり素晴らしい講義を行っていただいたNespolo教授はもちろん,企画を実行していただいた実行委員のKEK五十嵐博士,東工大奥部博士, KEK神山博士ならびに事務局のKEK高橋氏,関係者の方々に深く感謝し,一緒に講義を受けた方々の今後ますますの活躍を期待しつつ,この夏の報告としたい.ありがとうございました!日本結晶学会誌第56巻第6号(2014)373