ブックタイトル日本結晶学会誌Vol56No6

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日本結晶学会誌Vol56No6

世界結晶年(IYCr2014)日本の取り組み文化財を甦らせる結晶学―紅白梅図屏風の300年前の姿を復元する―東京工業大学大学院理工学研究科植草秀裕Hidehiro UEKUSA: Crystallography of Art and Cultural Properties ? Restoration of300 Years Old Folding Screen“Kohaku Baizu”1.企画講演会:世界結晶年(IYCr2014)記念講演会文化財を甦らせる結晶学-紅白梅図屏風の300年前の姿を復元日時:2014年2月16日(日曜日)13:00より場所:MOA美術館能楽堂(静岡県熱海市桃山町26-2)主催:日本結晶学会,日本分析化学会後援:MOA美術館2.プログラム世界結晶年-我々の生活と結晶学栗栖源嗣(大阪大学)紅白梅図屏風について内田篤呉(MOA美術館)紅白梅図屏風の300年前の姿を探る中井泉(東京理科大学)光琳に倣う日本の美森山知己(画家)された紅白梅図屏風が設置され,その前で講演が行われる印象的なものであった(写真1).講演会は,一般の方々に結晶学とは何かをわかりやすく説明する,「我々の生活と結晶学」(大阪大学教授栗栖源嗣先生)という講演から始まった.宝石や氷雪,砂糖,塩のようなわかりやすい結晶から,体内にある結晶,産業界で使われる結晶,美術,薬学,食品における結晶へと話が進み,世界や日本における結晶学の歴史,そして最先端の結晶学へとわかりやすく説明された.結晶学が身近なものである感じた聴衆も多かったであろう(写真2).次の講演からは,美術館自慢の国宝「紅白梅図屏風」についてとなった.最初に,美術館館長,内田篤呉氏から美術品としての紅白梅図屏風について解説があり,屏風の歴史や見どころについてお話があった(写真3).尾形光琳が屏風を描き上げた300年前には,この屏風はどのように見えていたのだろうか?これを化学,結晶学3.概要本企画は世界結晶年(IYCr2014)記念講演として開催された.開催場所は熱海にあるMOA美術館で,講演者のお一人である中井先生が,収蔵されている国宝の紅白梅図屏風の科学的・結晶学的調査をなさったご縁での開催と伺っている.場所や講演タイトルからもわかるように,広く一般に向けた講演会であり,広く結晶学を普及させたいという世界結晶年の理念に合った講演会となった.また会場は501席の本格的な能楽堂であり,能舞台には再現写真2「世界結晶年-我々の生活と結晶学」のご講演(栗栖先生)写真1MOA美術館能楽堂の講演会場写真3「紅白梅図屏風について」のご講演(内田館長)日本結晶学会誌第56巻第6号(2014)361