ブックタイトル日本結晶学会誌Vol56No6

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日本結晶学会誌Vol56No6

世界結晶年(IYCr2014)日本の取り組み世界結晶年IYCr2014ポスター結晶学と世界結晶年の紹介パンフレット(ユネスコ製作:日本語版)世界結晶年で掲げられた目標の1つとして,このように広がりをもち,現代社会の土台となっている結晶と結晶学をもっと一般の方に認識してもらうこと,結晶と結晶学の魅力を一般の方に知ってもらうことが挙げられています(栗原著;別項参照).一般向けの企画は講演会にとどまらず,博物館,科学館,図書館での展示企画や,サイエンス・フェスタ,サイエンスアゴラへの参加などさまざまな活動として進行し,より広範な市民の方へ,結晶の魅力をいろいろな形で伝える活動として効果を挙げました.これは,本特集に目を通していただければ読者の方々へ彷彿として伝わってくると思います.世界結晶年実行委員会としても,世界結晶年のポスターを作成し,全国の科学館や博物館,また,各都道府県の教育委員会,スーパーサイエンスハイスクール(SSH)などに宛てて,世界結晶年日本委員会パンフレット「結晶」(高田著;別項参照)とともに, IYCr2014へのご協力とポスター掲示の依頼文をそえて,郵送致しました.なお, IYCr2014のウェブサイト(http://www.iycr2014.org/about/promotional-materials)では, IYCr2014記念カレンダーなどとともに,ユネスコにより製作された現代社会における結晶学の役割と世界結晶年の意味を一般の方に紹介するパンフレットがダウンロードでき,これを配布することが許されています. 16カ国語版が用意されていますが,この翻訳は各国のボランティアの手によるもので,日本語版は渡邉信久会員が翻訳しておられます.出版物としては,国立科学博物館発行のmilsil(2013年7月~2014年12月「結晶:原子・分子の世界への入り口」)(高田著;別項参照)のほか,現代化学(2014年2月~12月:「物質科学を変えた結晶学」),パリティ(2014年11月:「X線解析技術の発展と応用:国際結晶年を記念して」),金属(2014年4月:「世界結晶年を記念して」),など,科学誌においても特集記事が組まれました.このような科学に興味をもつ一般読者から専門家まで幅広い読者層をもつ月刊誌における連載記事,特集記事の掲載は,世界結晶年を記念したアウトリーチ活動として,相応しい企画といえるでしょう.少し異なる観点からの取り組みとしては,大橋裕二IUCr元会長,久保田佳基世界結晶年実行委員会情報幹事にご協力をいただき,ウィキペディアに世界結晶年という項目をたてました.現代の学生は何かにつけてネット検索を行い,ウィキペディアを参照します.“世界結晶年”,“IYCr2014”という文字が目に止まったとき,検索して,世界結晶年という項目に出会うことにより,若い世代の方が,世界結晶年を通して結晶学にふれるチャンスとなってほしいという思いも込められています.5.終わりに本号がお手元に届く頃は,世界結晶年(IYCr2014)はその幕を下ろそうとしているかと思います.世界結晶年は終了しても,結晶と結晶学の一般の方への広報が枝葉を広げ,結晶と結晶学が一人でも多くの方の身近なものとなることを祈念しています.日本結晶学会誌第56巻第6号(2014)357