ブックタイトル日本結晶学会誌Vol55No6

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日本結晶学会誌Vol55No6

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概要

日本結晶学会誌Vol55No6

クリスタリットの原論文には中間酸化物として, TiO 2, ZnO, PbO, Al 2O 3,ThO 2, BeO, ZrO 2, CdOが挙げられているが,実際にはこれら以外にもNb 2O 5やTa 2O 5などが含まれる.1)K. -H. Sun: J. Am. Ceram. Soc. 30, 277 (1947).(東京大学増野敦信)走査透過電子顕微鏡(STEM)Scanning Transmission Electron Microscopy細く収束させた電子線を試料上で走査し,試料上の各点から透過散乱された電子線を試料下部の検出器で検出し,モニター上に像を形成することにより,試料内部の構造を直接観察する装置.現在では,電子線を0.1ナノメートル(1オングストローム)以下程度まで絞ることが可能であり,材料中の原子レベルの構造を直接観察することができる. STEM像のコントラストは検出器の配置に大きく依存し,検出器の配置の違いによりいくつかの像モードが存在する.また,電子損失エネルギー分光法やX線分光法などとの併用が可能であり,これらの情報と原子分解能像を同時に取得できることから,原子レベルの構造解析に広く用いられている.(東京大学大学院工学系研究科総合研究機構柴田直哉)HAADF-STEMHigh-Angle Annular Dark-Field STEMSTEM暗視野法の1つであり,高角度に散乱された電子のみを円環状検出器で選択的に検出し,像を形成する手法.この手法を用いると良い近似で非干渉性像の形成条件が満たされるため,原子分解能像コントラストの輝点が試料厚やフォーカスによらず常に原子位置に対応することになる.そのため, HAADF像では原子の直接観察が可能である.また, HAADFのコントラストは構成原子の原子番号の約2乗に比例する(Zコントラスト).(東京大学大学院工学系研究科総合研究機構柴田直哉)370日本結晶学会誌第55巻第6号(2013)